ツールサイトがAdSense審査に落ちる理由

2026-09-22

このサイトは広告で運営費をまかなう前提で作っている。そのためAdSenseの審査を通す必要があるのだが、調べていくうちに、ツール集サイトは通りにくいジャンルらしいと分かってきた。

一番参考になったのは、ブラウザ上で動くファイル処理ツールを46本公開した個人開発者の記録だ。PDF圧縮、画像変換、CSVのエンコーディング変換といった、このサイトが作ろうとしているものとほぼ同じ構成だった。

その人は2回落ちている。

「有用性の低いコンテンツ」とは何を指すのか

不合格の理由として返ってきたのは「有用性の低いコンテンツ」という一文だけだった。どのページの何が足りないのかは書かれていない。

AdSenseの資格要件を読むと、求められているのはこう書かれている。

> ユーザーの興味を引く独自のコンテンツがある

> 高品質かつオリジナルで、ユーザーが魅力を感じるものであることが必要

ツールが46本あって、どれも実際に動く。使う人にとって有用ではないのか、というのが最初の疑問になる。

説明文を足しても落ちた

その開発者は、1回目の不合格のあとに対策をしている。

  • 46本すべてのツールページに、背景や使い方の説明を追加した
  • カテゴリページに800〜1,500字のガイドを追加した
  • SEO向けのメタデータを整理し、プレビュー機能も実装した

それでも、2回目も同じ「有用性の低いコンテンツ」で落ちた。

ここが一番重要な情報だと思う。「文章が足りないなら足せばいい」という素直な対策が、そのままでは効かなかったという実例になっている。

足りなかったのは量ではなく種類だった

2回目の不合格のあと、その人が到達した結論はこうだった。

> テキストの量ではなくテキストの「種類」が不足していた

ツールに付随する説明文ではなく、ツールから独立して読める記事が必要だった、と。対策として /guides/ という記事の区画を新しく作り、文字コードや画像フォーマット、PDFの仕組みといった技術背景の解説を、2週間で15本、最終的に45本以上書いている。

言われてみると筋は通っている。ツールページの説明文は、どうしても「このツールの使い方」に閉じる。そのツールを使いに来た人以外には読む理由がない文章で、それが46本あっても、独立した読み物が0本であることは変わらない。

審査されるのはドメインで、ツールの本数ではない

もうひとつ、構成の側から分かったことがある。

AdSenseの「サイト」の管理単位はトップレベルドメインで、サブドメインを個別に追加することはできない。申請するのはドメインであって、ページ単位でもディレクトリ単位でもない。

つまり、審査する側が最初に見るのはドメインのトップページになる。ここにツールの一覧しか無ければ、見えるのはリンクの羅列だ。サブドメインやサブディレクトリの中に何本ツールがあっても、それが考慮されるという記載はどこにも無い。

「ツールを増やせば通る」という発想が効かないのは、たぶんこのためだ。

このサイトがどうしたか

以上を踏まえて、申請の条件をこう決めた。

1. 申請は、独立した解説記事が15本たまってから行う。ツールの実装本数は判断材料にしない2. ツールを1本作ったら、その背景を解説する記事を1本必ず書く。後から45本書くより、作った直後に1本ずつ書くほうが安い。実装している最中なら、書く材料が手元にある3. ルートに読み物を置く。 トップがリンクの羅列にならないようにする

2番は運用ルールではなく、コードの型で強制している。このサイトのツール定義には、対になる記事のslugを書く欄が必須項目としてあり、書かないとツールを追加できない。忘れる余地を残さないためだ。

まだ結果は出ていない

正直に書いておくと、この方針が正しいかどうかはまだ分からない。参考にした事例も、方針を変えた時点までしか記録が公開されていない。このサイトもまだ申請していない。

分かっているのは、「ツールを作って説明文を添える」だけでは足りなかった実例が1件あること、そして審査の単位がドメインであることの2つだけだ。その2つから逆算すると、記事を先に厚くしておくのが安全に見える、というところまでが現状だ。

結果が出たら、通っても落ちても、また書く。