セット球の周期は実在する。ただし数字の的中には一切関係がない

2026-09-11

ロト6には「セット球」がある。抽せんに使う球のセットがA〜Jの10種類あり、どれを使ったかが結果と一緒に公表される。

この並びに周期があり、読めば当たる、という説がある。第1回から第2135回まで全部を使って調べた。結論から書くと、周期は実在した。そして数字の的中にはまったく関係がなかった。

周期は本物だった

何回前と同じセット球かを数える。偶然なら、どのラグでも一致率は10%前後になるはずだ。実際はこうなる(直近500回)。

何回前一致率何回前一致率
11.0%1022.4%
21.2%1118.0%
32.2%1214.8%
52.6%1313.8%
87.5%2010.0%

直前と同じセット球はほぼ絶対に出ない。そして10回前とは22.4%で一致する。連続する10回に含まれるセット球は平均8.82種類で、10種類すべて揃う窓が19.9%ある。完全にランダムなら0.04%しか起きない。

10個のセットを順繰りに使い回す運用になっている、と考えると全部説明がつく。第1回から現在まで一貫していて、週1回抽せんだった第542回以前も同じだ。

統計的にも明らかで、直前のセット球から次を予測する遷移行列のカイ二乗は360.9。自由度81の5%棄却域は103.0だから、偶然では説明できない。

ここまでは周期説の言うとおりだ。

数字とは無関係だった

問題は次の段階にある。セット球が読めたとして、それで数字が当たるのか。

セット球ごとに、どの数字が何回出たかを集計してカイ二乗検定をすると363.3。自由度378の5%棄却域は424.5なので、有意差なし。どのセットを使っても、1から43の出方は変わらない。

実際に賭けてみるとどうなるか。各回の直前までのデータだけを使い、その回のセット球で最も多く出ている数字の上位6個を予想とする。1835回分を検証した。

選び方平均一致数3個以上一致
セット球の頻出上位6個0.8283個44回
乱数で6個0.8447個49回
理論上の期待値0.8372個—

区別がつかない。むしろ乱数のほうがわずかに良いが、これも誤差だ。

なぜそうなるのか

考えてみれば当然で、セットが順繰りに使われるのは抽せん機材の運用上の都合であって、球そのものの性質ではない。どのセットも均質に作られているなら、どれを使っても出目の分布は同じになる。

周期があるのは「いつどのセットを使うか」であって、「そのセットが何を出すか」ではない。この2つが混同されている。

正しい前半と誤った後半

セット球の周期説は、検証可能な事実から出発して、検証されていない結論につながっている。前半が本当なので、後半も本当らしく見える。

この形の主張は見分けがつきにくい。実際、この記録を始めるにあたって最初にセット球を「後付けのパターンだろう」と切り捨てたが、それは間違いだった。周期は本物だった。間違っていたのは切り捨て方のほうで、正しくは「周期はあるが数字とは無関係」だ。

雑に否定すると、雑に肯定するのと同じくらい間違える。

検証に使ったもの

  • データ: ロト6 第1回(2000/10/05)〜第2135回(2026/09/07)
  • 検算: 本数字計・全数字計・奇偶の3系統で全件照合
  • コード: cmd/import(取り込み)、analysis/setball.py(検証)